Talknote Vol.7「2013年、これからのWeb戦略」
Fri, Mar 22, 2013遅くなりましたが、先週の3/16(土)に地元静岡で行われたWEB系の勉強会、Talknote Vol.7に参加したのでその内容についての記事です。
1つ目はコトトイ・ファクトリー藤田 拓さんの「2013年、これからのWeb戦略」です。Webプロデューサー、ディレクター的な話かと思いきや、WEBの歴史+未来のまるで大学の面白い講義のような内容で非常に楽しめました。また、自分が個人的に見聞きしてメモしたものを思い出しながら、頂いた資料を参考に噛み砕いたりアレンジしている部分があります。そのため、藤田さんの内容と違う部分があるかもしれないので、その点はご了承ください。
これからのWeb戦略
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ (オットー・フォン・ビスマルク)
WEB以前
ロゼッタ・ストーン、パピルス、ラスコーの洞窟画など、太古の時代から情報の共有をしたいという欲求は存在していた。また、15世紀の発明である活版印刷は、情報の共有という意味で非常に大きな役割を世界にもたらした。
- コピーしやすいものはミーム(遺伝子)に好かれる
- 情報は、コピーされやすく、長く保存出来るものほど強い。
- イミダス、現代用語はWikipediaや類似のWEBサービスに駆逐され、少し前にCDをMP3が打ち負かしたと思ったら、今はMP3よりiTnues(もしくは他のクラウドサービスやストレージ)という状態になっている。
WEB(現在)
これらを踏まえると、「WEB」は最強!
- ティム・バーナーズ=リー
- WEB、HTMLの生みの親
- W3Cの設立者
インターネットの利用者は今や79%(総務相の資料)、メディアへの接触時間は、PCと携帯が増えてきていて特に20代が多い。70代でも40%ものユーザーがいる。また、パソコンの前でWEBをしていたが、最近ではスマートフォンとタブレットでWEBをしている。
- ビジネスから日常まで
- Anywhere anytime anybody anything(いつでも、どこでも、だれでも、なんでも)
- そんなWEBをどう使うのか?
戦略(これから)
「ソーシャルすれば、何とかなるんじゃない?」はNG。WEBを立ち上げた後、どうしていくのかが非常に重要。WEB関連の資源は、「いつでも、どこでも、だれでも、なんでも」が大事。
また余計な情報は排除されるべきである。「Googleパンダアップデート」によって下記のような状況の見直しが行われた。以前は…、
- 被リンク数が多ければ、多いほどよい
- 古いドメインほど、価値がある
- 結果、古いドメインを取得した多くのサテライトサイト作られた→明らかなスパム行為
- Google「コンテンツをちゃんと作りなさい」→余計な情報を増やすサイトは排除
コンテンツ配信側がアクセスしてくる人のデータを有効活用
- どのように皿が取られているか?
- どの時間にどのネタが人気があるのか?
- →データを元に、こういうプロフィールの人はこういうものが好みだろう→状況に応じた対応。
顧客経験価値
お客さんに合わせたサービスが求められている。
スターバックスでは、
- 開店前に周りを歩いてみて、お店がそこに建ったらどう見えるかなどを徹底して下調べする。
- お客さんの顔とその注文を覚えておき、次回以降の参考とする。
コンテンツ配信側がマシンにデータの再利用をできるようにする
有効活用できるサイト→再利用・加工ができるサイト
何てことはないサイトのように見えるが非常に重要な情報を公開している…
スキーマとは、ウェブマスターがページをマークアップすることによって大手検索プロバイダーに認識されやすくなるHTMLタグです。 Bing、Google、Yahoo! などの検索エンジンサイトはこのマークアップを通してより質の高い検索結果を出すことができ、またユーザは探したいページを簡単に見つけられるようになります。(schema.org 日本語訳サイト)
Google検索の結果一覧で表示される情報 (頂いた資料を元に個人的に調べてみました)
- elle レシピ 塩麹 – Google 検索
- 検索結果一覧に3:27という動画時間の表示
- meta itemprop=”duration” content=“PT3M27S”の3Mが分、27Sが27秒を表している?
- 卵焼き – Google 検索
- 検索結果一覧に調理時間10分 – 145kcalの表示
- typeof=“amy:Recipe”、property=“amy:duration”、property=”amf:nutrition”という情報をクローラーが読み込んでいる?
- イベント情報 ライブ コンサート 東京 – Google 検索
- 検索結果一覧に、「日時 – タイトル – 場所」の情報が表示
- SPANタグのclass名、stdateやlocationから?これはよくわかりませんでした…。
「コンテンツ配信側がサイトにアクセスする人のデータを有効活用する」
↓↑
「コンテンツ配信側が マシンにデータの再利用を出来るようにする」
そして…、「機械学習」
ゲームを脳だけでコントールするが、ゲームを始める前に個人個人の脳波パターンを機械に学習しておくことで、より正確にプレイヤーがコントール出来るようにする。
(この記事を書いた日に偶然にも静岡で機械学習の本の読書会をしないか?という提案が(笑))
オライリージャパン
売り上げランキング: 6,078
- DeNAは、マシンラーニング(機械学習)の知識、技術のある人を積極的に採用している(?)
- 昔は全てをコンピュータにやらせようとしたが失敗→最近はちゃんと機械にも学習させようという流れ
- 機械学習はマシンにパータンを与え、そのパターンを学習させること
- 機械は経験に学び、人は機械に経験のためのデータを与える
- 最近の顔認識はこれに基づき、また最近では(機械の)バッターがボールを打てるようになった。
そして、この機械学習と膨大なデータが組み合わさると一体どんな事が起こるのか…、圧巻は4:00程から。。。
全く違う人達が撮影したフリッカーの写真を繋ぎあわせて、シームレスなノートルダム寺院の3Dグラフィックスを構築。写真を撮影した人の場所や角度を推測している。 更にこれからデータの出処は増えていく→「ウェアラブル・コンピューター(身につけることが出来るコンピューター)」ただし、ウェアラブルの概念は全然新しくなく、2000年にも「ウェアラブルコンピューター」に関する資料は存在していた。
実は情報と情報、マシンととマシン、人と人、だけでなくマシンと人の情報のやりとりをシームレスにおこなえるようにするのが目標
ティム・バーナーズ=リーは、最初からこのことを考えていた。
そもそもデータとは何でしょう。文書とデータの違いは何でしょう 文書は読み物です。内容を読めるし、リンクを辿ることもできますが、それだけです。一方、データの場合、様々な事が出来ます。(中略)ハンスはこのプレゼンテーションより様々な国々に対して、異なる色で表現し、彼は、所得水準を一方の軸で表し、もう片方を幼児死亡率とし、時の経過をアニメーションで示しました。彼はこれらの人々が発展途上諸国の経済に対して持っていた思い込みをプレゼンテーションで吹き飛ばしたのです
とにかくデータ化されていることの重要性、それが人類の幸福や発展に繋がるということがティムのプレゼンから伝わって来ました。(個人的な感想)
美しいサイトを作る前にデータを出してくれ!(美しいことは重要だし、是非作って欲しいが、美しいサイトを作ることでデータの公開を遅らせないでくれ。)
反面教師:震災時にPDFを出す政府→最近は変わってきている?
まとめ
- W3Cのやろうとしていることを一回見たほうがいい。
- それを踏まえてGoogleやAmazon、facebookといったビッグプレイヤーの動向に注目する。(オープングラフなど、schema.orgの内容)
- プラットフォームはグローバルなもの、垣根が少ないものを選ぶ
- でも、ターゲットへは、よりプライベートなローカル情報を最重視する。
- 例:位置情報、スマートフォンがレストランの温度センサーと連携
- ハーバードビジネススクール神曰く
- マーケティングの未来は想像以上に昔のマーケティングに似ているだろう
- より、その人に合わせたサービスを
ビスマルクは多分そんなことは言っていない。